第二種電気工事士やその他電気系資格を受けていると「有効電力」や「無効電力」という言葉が出てきます。これらについて詳しく解説していきます。
目次
有効電力と無効電力の違い
すでにこの辺を勉強された方もいると思いますがこの三角形を見て覚えた人も多いのではないでしょうか?
上の図は皮相電力電力と有効電力、無効電力を分けた図です。
もし、この電力の種類がわからなくなったらこの三角形を思い出しましょう!
この三角形の意味は①皮相電力を②有効電力と③無効電力に分けたものです。
①皮相電力とは電力全体のことです。
そして②有効電力とは実際に仕事をしている電力のことです。
一方で③無効電力とは有効電力とは逆で仕事をしていない電力のことです。
これが有効電力と無効電力の違いです。
この辺についてもう少し丁寧に説明しますと
①「電力」には皮相電力があるということ ②そして皮相電力は2種類に分けられる。それが有効電力(仕事する電力)と無効電力(仕事しない電力)
ということです。
ここまでOKな感じですかね?^_^
ちなみに、有効電力は一般の電化製品でいうところの消費電力です。これだとさらに覚えやすいかもですね。
(有効電力=消費電力)
皮相電力と有効電力と無効電力についてさらに深く説明していきましょう。
皮相電力について
皮相電力のはよく電圧V(V)と電流I(A)で表され
皮相電力S=VI(VA)
という式で表すことができます。単位は(VA)です。
ここで、「あれ?単位(VA)が違うだけでP=VI(W)ってやつと同じじゃない?」
と思われた方もいると思いますが、皮相電力や有効電力、皮相電力を考えるときは単相交流回路における電力について考ています。
「P=VI(W)」は一般的な電力の求め方としてこの式を用いているので混同しないよう注意が必要です。
(でも、考え方の基礎としては「P=VI(W)」です)
有効電力について
皮相電力が電化製品に使われる時に、電化製品が動作するために電力が消費されます。その消費電力が有効電力です。
有効電力はよく
P=VIcosθ(W)
で表されます。(cosθは力率です。)
有効電力は抵抗の時にのみ消費され使われます。
これが、実際に仕事をしている電力のことです。
逆に、コイルやコンデンサには有効電力は消費されません。
これが有効電力の大きな特徴です。
もしも、抵抗がなくコイルやコンデンサのみの電化製品(おそらくあり得ないと思いますが、、笑)の場合、有効電力が消費されないので、cosθはcos90°=0となり、式は
P=VIcosθ=VI×0(W)
となります。
また、電気資格試験の問題で有効電力を求めるとなった場合、cosθが求められなくとも
P =I^2R(W)
で電流と抵抗で有効電力が求められます。
無効電力について
上記の有効電力の説明で「コイルやコンデンサには有効電力は消費されません。」と説明しました。
このコイルやコンデンサの部分での電力に無効電力が使われます。
無効電力は
無効電力Q=VIsinθ(var)
で表すことができます。
単位は有効電力とは異なり、「var」という単位となります。
cosθが力率に対してsinθが無効率と言います。
単相交流回路の電力量の計算
電力量の計算はわかる方も多いと思いますが、一応説明すると
電力量W=VIcosθ×T(W・h)
と、電力に時間をかけた値が電力量となります。これは上記でも解説した通り、
W =I^2R×T(W・h)
とも表せますね!
以上で無効電力と有効電力の違いについて解説を終了します。