普段生活をしている中で「変流器」、「倍率器」、「分流器」というワードは聞くことはないと思います。電気の資格試験を行う中で初めてで来るものです。今回はこの変流器等に関して解説していきます。
目次
変流器とは
変流器とは大きな電流か小さな電流に変換して測定するものをいいます。
変圧器(トランス)を知っている方なら想像するのはようだと思います。
ちなみにこの変流器ですがamazonで購入することができます。
↓
ここで変流器の仕組みを下記の図で表します。
変流器は電源から負荷までの間にある片方の電線を鉄心に巻き付け、1次側を作ります。
そして鉄心に二次側となる電線を巻き付け、電流計を接続します。
1次側の電線の巻き数は2次側の巻き数に比べ少ないです。
これは変圧器に似ていますね。
変圧器でもあるように変流器にも変流比というものがあります。
式としては
変流比 n = 1次側電流 I1 / 2次側電流 I2 = 2次側巻き数 N2 / 1次側巻き数 N1
となります。
ここで電流計側の2次側電流の値を計算してみましょう。
上記の図に必要な値を書き入れてみます。
上記の場合、巻数がわかずとも「変流比」と「1次側電流値」とがわかれば求まります。
つまり
負荷における消費電力:4kW 電圧:100V 変流比:40/8
が図からわかっているので計算すると
I2=( 4kw/100V ) × ( 40/8 )
= 8A
となります。(変流比から二次側電流がわかりますが、、(笑))
また、変流器を扱う際ですが、電流計を取り換える機会あると思います。
この時、2次側の端子を必ず短絡させておかなければなりません。
短絡しない状態で電流計を取り外すと2次側の端子に高電圧が発生する恐れがあります。
倍率器とは
倍率器というのもあまり聞かないものですよね。
一般的に対象となるものの電圧を測定したい、となった場合、
電圧計を用いますよね?
しかし、その対象となるものの電圧が通常よりも大きいと想定される場合があります。
そういった場合、電圧計に倍率器というものを取り付けて測定します。
倍率器は電圧計の測定範囲を拡張するものです。(倍率器はいわゆる抵抗器です。)
接続方法としては、電圧計と直列に接続します。
図で示すとこんな感じ
↓
また、電気工事士試験など「倍率器の抵抗を求めよ」ということも考えられるので計算方法を説明すると
まず、上記の図から電圧計と倍率器に流れる電流は同じなのでオームの法則を利用して
I = V / R = ( V0 - V ) / R
と成り立つことができます。
このことから
R = { ( V0 - V ) / V }× r (Ω)
となり、倍率器の抵抗が成り立ちます。
分流器とは
電圧の測定範囲を拡大するものがあれば電流の測定範囲を拡大するものもあります。
それが分流器です。
倍率器は電圧器と直列で接続しましたが、分流器は電流計と並列で接続します。(分流器も倍率器同様、抵抗器です)
図で表すと以下のようになります。
この分流器も電気工事士試験に出題される可能性があるので分流器の抵抗の計算方法を求めてみます。
上記の図から電流計と分流器にかかる電圧は等しいのでオームの法則より
V = Ir = ( I0 - I ) ×R
となり、
R = { I / ( I0 - I ) }× r (Ω)
となります。
まとめ
・変流器とは:変流器とは大きな電流か小さな電流に変換して測定するもの
・倍率器とは:電圧計の測定範囲を拡張するもの
・分流器とは:電流計の測定範囲を拡張するもの
以上で解説を終わります。その他、電気に関する記事をアップしていますのでこちらもご覧ください。