前回は重要事項説明書の追加説明事項について説明しました。
今回は「基本的説明事項」における
「瑕疵担保責任って?、私道負担とは?」
などわかりやすく説明していきたいと思います。
目次
基本的説明事項には何が書いてある?
前回、説明した通り重要事項説明には「基本的説明事項」と「追加説明事項」の2種類あります。
基本的説明事項には多数の内容が含まれています。下記に図として示します。
今回は赤枠で囲った「解除に関する事項」から「住宅性能評価を受けた新築住宅ならその旨」までを解説していきます。次回、青枠の部分を解説していきます。
それぞれ具体的に見ていきましょう
解除に関する事項
契約のトラブル等、予期せぬ自体が起きて損害賠償に発展する際の措置としてこの解除に関する事項が設けられています
解除の種類にはいくつかあり、
・手付解除
・瑕疵担保責任による解除
・引渡前の滅失・毀損による解除
・ローン特約による解除
・契約違反による解除
があります。そしてこれらの解除の事項には
1.どんな時に解除できるか
2.手続きの仕方
3.解除した時の効果
等を記載・説明する必要があります。
ここ宅建士試験でも出るところですが、
もし、解除に関する事項の定めがなければ「なし」と記載する必要があります。
そしてこの事項は
「売買」、「交換」、「宅地・建物の貸借」
全てにおいて記載・説明が必要です。
瑕疵担保責任の概要
売主が瑕疵担保責任を講ずるかどうかの項目です。これは瑕疵担保責任が生じた時に備えて保険会社に保険をかけておく為の措置です。
もし売主がこの措置を講じない場合は「講じない」と記載をします。
そしてこの事項は
「売買」、「交換」
において記載・説明が必要です。
登記された権利の種類、内容
その宅地や建物にどのような登記がされているのかを知るための項目です。例えばある建物の一室を購入したい場合、そこに抵当権が設定されていた場合、後々トラブルになる可能性が出てきます。この為、登記の種類や内容を記載する必要があるのです。
宅建試験で注意しておきたいのは「移転登記の申請時期」に関しては重要事項説明では記載しません。これは37条書面で記載します。
そしてこの項目は
「売買」、「交換」、「宅地・建物の貸借」
全てにおいて記載・説明が必要となります。
法令上の制限
法令上の制限の項目にはいくつかの項目があり、
・造成宅地防災区域にあるときはその旨
・土砂災害警戒区域にあるときはその旨
・津波災害警戒区域にあるときはその旨
・建ぺい率・容積率に関する制限の概要
を記載します。
そしてこの項目は基本的に
「売買」、「交換」、「宅地・建物の貸借」
においては記載・説明が必要となります。
ただし、4つ目「建ぺい率~」に関しては
「建物の貸借」の場合は記載・説明は必要ありません。
私道負担の有無
私道負担がなければ「なし」と記載する必要があります。
この項目は
「売買」、「交換」、「宅地の貸借」
においては記載・説明が必要となります。
「建物の貸借」に関しては記載・説明は必要ありません。
以上、私道負担とは?についてわかりやすく解説しました。
上下水道、電気、ガスの整備状況
ここには直ちに利用可能な施設(水道や電気等)などを記載します。
もし、未整備の場合はこれからの見通し(整備予定や負担金予定額)を記載・説明する必要があります。
そしてこの項目は
「売買」、「交換」、「宅地・建物の貸借」
全てにおいて記載・説明が必要となります。
住宅性能評価を受けた新築住宅ならその旨
住宅品質確保促進法という法律の5条1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅を受けた新築住宅であるときは、その旨を記載・説明する必要があります。
この項目は
「売買」、「交換」
のみ記載・説明が必要です。そして新築に限ります。