数ある電気系国家資格の中に「電気工事士」
という資格があります。電気工事士には第二種電気工事士と第一種電気工事士があります。この2つは一体何が違うのか解説していきます。
目次
電気工事士の資格とは?
冒頭でもお伝えした通り、電気工事士には第二種電気工事士と第一種電気工事士の2種類があります。どちらも電気配線等を行う上で持っておかなければならない経済産業省管轄の国家資格となります。
電気配線等は電気工作物と呼ばれる工作物に属するものであり、電気工作物の中には
・一般用電気工作物 ・事業用電気工作物
の2種類に分かれます。
さらに、事業用電気工作物の中には「自家用電気工作物」というものがあり、この工作物の中に「需要設備」という設備があります。
図で表すと以下のようになります。
ここの時点で大まかに第一種第電気工事士と第二種電気工事士の違いを説明しますと上記の図から一般用電気工作物に関しては第二種電気工事士資格を自家用電気工作物の需要設備に関しては第一種電気工事士資格を適用することとなります。(第一種電気工事士が需要設備に適用できる範囲には、決められた範囲があるので下記の「第一種電気工事士とは?」の部分で説明します。)
これが2つの違いとなります。
では、第二電気工事士と第一種電気工事士に関してもう少し具体的に見ていきましょう。
第二種電気工事士とは?
第二電気工事士は一般用電気工作物を取り扱うことができます。
こう言われてもパッとイメージしづらいと思いますよね。
具体的に一般用電気工作物とは住宅や小さい店舗(駄菓子屋などをイメージしてもらうといいかもしれません)などで使われている電気配線や電気設備などのことを言います。
そして、ここで重要なのはこの電気配線や電気設備は600V(ボルト)以下で受電しているものに限り第二種電気工事士が取り扱っていい範囲となります。
600Vを超える配線や設備はこの資格では取り扱ってはなりません。
急に600Vと言われてもピンと来ないかもしれませんね。
そこで、あなたが住んでいる家の中にあるコンセントを見てみてください。小さく「125V」と書いてあると思います。
これは、「このコンセントは125Vまで安全に使用できる設備ですよ」と言う意味です。
つまり、コンセントは600V以下の電気設備ということになりますよね?
よって家のコンセントに関しては第二種電気工事士が取り扱って良い設備となるのです。
もちろんコンセントだけでなく、見えないですが壁の中にある電気配線も600V以下の電気配線のため、取り扱うことができます。
第一種電気工事士とは?
冒頭で第一種電気工事士は自家用電気工作物の需要設備に適用されると解説しました。
もう少し具体的に言いますと、この需要設備には「最大電力」と言ってその設備が持っている最大のエネルギーがあります。(このエネルギーは「kW(キロワット)」で表します。)
そして、需要設備によっては500kW以上のエネルギーを出す設備と500kW未満のエネルギーを出す設備があります。
長くなりましたが、第一種電気工事士が取り扱えるのはこの「500kW以下の需要設備」のほうです。500kW以上のものは取り扱えません!
第2種電気工事士では住宅などの規模が小さな場所で600Vのコンセントや電気配線を取り扱うこととなっていましたが、第一電気工事士では逆に大規模な工場やオフィスといった場所にある500kW以下の空調設備や生産設備などの需要設備を取り扱うこととなります。
まとめ
【第二種電気工事士とは?】
600V以下で受電する配線や設備を取り扱う資格
【第一種電気工事士とは?】
500W以下の需要設備を取り扱う資格
第二と第一種種電気工事士では「600V」や「500kW」と取り扱う範囲が違う以外に単位まで違いがあることがわかりましたね。ややこしいとは思いますが、慣れてくると見分けがつくと思います。