電気工事士資格に興味を持たれた方のなかには「数学の知識はどのくらい必要なのだろう?」と感じた方もいると思います。今回は電気工事士に出てくる数学の知識をご紹介します。
目次
電気工事士に出てくる数学の知識
いきなりですが、電気工事士に使われる知識は以下の通りです。
・正負の数 ・分数 ・指数 ・平方根 ・文字式 ・方程式 ・割合と比・比例 ・三角比
思ったほどあまりないと感じたのではないでしょうか?
以下に上記で挙げた数学の知識を計算例を使って解説していきたいと思います。(「正負の数」と「分数」は省きます)
指数
10^2×10^3という問題が出たとします。
この「2」や「3」の部分を指数といい計算すると
10^(2+3)となり10^5となります。指数の掛け算の場合は指数同士を足すことになります。
逆に
10^2÷10^3という問題が出たとします。
この場合は10^(2-3)となり10^(-1)となります。指数の割り算の場合は指数同士で引くことになります。
そして10^(-1)は1/10というふうにもなることを覚えておきましょう。
平方根
例えば、6の平方根なら±√6となります。√は根号といいます。
√36の根号を外す問題がでたのなら答えは6となります。
根号同士の掛け算で
√6×√7と出た場合は√42となります。
√2×√6とでた場合は√12でこれは2√3と表せます。
割り算も同様です。
文字式
例えば
a×(3-m)というaとmを使った文字式があったらこの答えは3a-maとなります。
(3b-c)÷3bであれば1-(c/3b)となります。
方程式
x -3=5という問題があった場合は、
「 -3」を5のある右辺に持っていき、「+3」となるので
答えは
x=8
となります。
割合/比/比例
割合の表し方で百分率というものがあります。
つまり、100%中何%かということです。
例えば、
0.58を百分率で表す場合は
0.58×100 = 58
となります。
比の計算では
10:X=5:2という問題が出た場合
10/x=5/2
という式が成り立つので
X=4
ということがわかります。
比例は
例えば
x=4の時はy=10,
x=8の時はy=20,
となる場合、
x=12の時はyは何なるでしょうという問題があった場合、比例関係である場合は
y=30
となります。
三角比
例えば下の図のような直角三角形があった場合、cosθを求める問題の場合では
cosθ=10√3 / 20
となり、答えは
√3/2
となります。
また、もしも斜辺の20がわからない場合でそこを解く問題がでた場合は
三平方の定理(ピタゴラスの定理)から
√((10)^2+(10√3)^2)
=20
と出すことができます。
ここまでが電気工事士で出てくる数学の基礎的な計算のやり方です。
数学を用いた実際の使われ方
では実際に電気工事士の計算はどのようなものが出てくるのでしょうか?
いくつかみていきましょう。
【問題】
抵抗30(Ω)と誘導リアクタンス40(Ω)と 直列に接続した交流回路のインピーダンスZ(Ω) はいくらになるでしょうか?
難しく考えずに上記で解説した「数学の知識」がどこで使われているかだけみれば良いです。
この問題では抵抗と誘導リアクタンスが出てきて、直列の場合のインピーダンス
という問題です。
直列の場合は抵抗の2乗と誘導リアクタンスの2乗を足してこれらを根号(√)で囲えば答えが出てきます。(なぜそうなるかは省きます)
つまり、計算式にすると
√(30²+40²)
となります。
よって、インピーダンスは50(Ω)となります。
この問題では上記で説明した、根号や三平方の定理が使われていますね。
では、次の問題にいきましょう。
【問題】
電圧が200Vで10Aの電流が流れている単相負荷の消費電力が1.6kWであった。 このときの単相負荷の皮相電力、力率はいくらか。
皮相電力は
電圧×電流
から2000VA
とわかります。
力率は三角比から
1.6kW /2.0kW = 0.8
となり、80%とわかります。
ここでは力率を求めるところで三角比が登場していますね。
まとめ
・正の数・負の数
・分数
・指数
・平方根
・文字式
・方程式
・割合/比/比例
・三角比
がわかれば、電気工事士に出てくる大抵の計算問題は解くことができます。
今までの解説から電気工事士を受けてみようとなっていただけると幸いです。
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