第二種電気工事士の勉強をしていなければ「小勢力回路」というワードと巡り合うことはありませんでした。「電気回路や電子回路などは聞いたことあるけど小勢力回路ってどんな回路なの?」と思う方は少なくありません。今回はこの小勢力回路について徹底解説していきます。
目次
弱電流電線とは
小勢力回路の前にこの弱電流電線について解説します。
弱電流電線とは読んで字のごとく弱い電流が流れる電線のことです。
この電線は電話線や電信線などに使われています。
この電線は漏電から起こる感電による事故・火災事故等を防止するためにガス管や水管と間隔をあけて接触しないようにする必要があります。
また、弱電流電線の近くにがいし引き工事による低圧屋内配線を設ける場合、この2つの距離は10cm以上離すよう義務付けられています。
しかし、使用電圧が300V以下でかつこの2つの電線の間に絶縁性の隔たりや絶縁管に電線を収めるようであれば、この義務は適用されません。
また弱電流電線について電気設備の技術基準の解釈にも記載されています。
興味がある方はこちらもご覧ください!
電気設備の技術基準の解釈
小勢力回路とは
ここから小勢力回路についてですが、小勢力回路は皆さんの家庭にもある「呼び鈴」や複合施設・ビルなどにある「警報ベル」で使われている回路です。この回路に使用される最大の電圧は60Vです。
100Vや200Vのように低圧屋内配線時よりも電圧が低いため、工事方法も簡単で、危険も低いです。
屋内で呼び鈴やベルを使うことは多いですが、これらは100Vや200Vを変圧器で降圧してから回路を組みます。ここで使われる変圧器は絶縁変圧器という変圧器を使用します。
この絶縁変圧器というものは1次側の電圧と2次側の電圧との間を電気的に絶縁した変圧器を言います。(これはおそらく1次側と2次側の電位差が大きいと事故になりやすいため絶縁していると思われます)
ちなみに第二種電気工事士試験でこの小勢力回路が出る場合、玄関に取り付けられている押しボタン式の回路が出題されます。
電気工事士を受けられる方はこの小勢力回路を覚えておきましょう!
また、上記でも説明しました「1次側」
小勢力回路ではこの1次側の対地電圧は決まっており、300V以下となっています。
そして、2次側から呼び鈴(またはベル)までの電線の直径は0.8㎜以上の軟銅線を使用することとなっています。また、この電線は
1.絶縁電線 2.ケーブル 3.コード
の3種類の中から選ぶことができます。
これらを図でまとめると以下のようになります。
まとめ
・弱電流電線とは弱い電流が流れる電線のこと
・小勢力回路にとは最大電圧60V以下の呼び鈴や警報ベルで使われている回路のこと