宅建を勉強する際、代理が出てきますが、無権代理や表見代理、復代理などが様々な代理に関する内容が出てきます。今回は忘れがちな復代理人の選任の仕方等について解説していきます。
目次
復代理とは
復代理は代理人と同様に「本人の代理」です。
「代理人の代理人」というわけではありませんので勘違いしないよう注意が必要です。つまり、図で表すとこのようになります。
例えば、本人Aが代理人Bに本人Aの土地を相手方Cに売ってきて欲しいと言ったとします。
ところが代理人Bが病気で行けなくなったとします。
このような場合、Bは「復代理」というスペアのような形で復代理人を誰かに頼むことができるのです。(仮に復代理人Dとしましょう。)
すると、復代理人Dがと相手方Cの間で土地の売買契約が代理人Bがいなくともできるのです。
しかし、ここで3点、注意しなければならないのは
1.復代理人がいたとしても元々の代理人の代理権は失われない 2.復代理人の代理権は代理人の代理権よりも権利は下である 3.代理人の代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅する
というこです。
1.に関しては、もしも代理人Bの病気が治ったのであれば復代理人Cが契約をしに行かなくともBと相手方で契約はできます。
2.と3.は代理人の権利の方が復代理人の権利より上のため、代理人の方がえらく、もしも代理人の代理権が消滅すれば復代理の代理権も消滅します。
復代理の他、無権代理や表見代理に関する記事は下記にのせてあるのであわせてご覧下さい。
復代理人の選任
代理人が復代理人を選任する際、その代理人が
・委任の代理人 または ・法定代理人
かによります。
それぞれ下記で説明していきます。
委任の代理人による復代理人の選任
委任の代理人とは本人が「あなたなら信用できる!」という感じで頼まれた人(代理人)を委任の代理人と言います。その本人から信頼されている委任代理人は復代理人を選ぶ時
1.本人の承諾得る場合 2.やむを得ない場合理由がある場合(代理人のが病気した等)
のどちらかで代理人は復代理人を選任できます。
そして、万が一選任した復代理人が大きなミスをしたなどした時、代理人は選任監督責任というものを負います。
法定代理人による復代理人の選任
法定代理人とは親権者や未成年後見人、成年後見人などのことを言います。委任による代理のように本人から頼まれるのではなく、本人の承諾を得ずに何時でも自由に復代理人を選任できます。
しかし、自由に選任できる分、代理人は原則的に全責任を負います。例外として「やむを得ない理由」により復代理人を選任した場合は選任監督責任のみ負います。
委任の代理人と法定代理人の復代理人の選定等についてまとめると以下のようになります。
宅建試験における復代理の選任の問題
宅建試験においても復代理の問題が出てくる事があります。
A所有の土地に関して、妻の父Bに売却の代理権を委任しました。 この場合 BがAからの許諾・指名によりCを復代理人として選任した際は、 BがCの不誠実さを見抜けなかったことに対し過失があった場合、BはAに対して責任を負う。
上記の問題の場合、「誤り」となります。
復代理人を指名・選任したのは本人Aです。なのでこの場合はBは責任を負わなくて良いのです。しかし、Cの不誠実さをBが知っていたのであればこの限りではありません。
以上が復代理人の選任についての解説でした。宅建試験では委任による代理人か法定代理人かで復代理人の選任方法が異なるで違いを覚えておきましょう。