宅建試験では代理についての問題が出題されます。宅建の勉強をしていく中で避けて通れない代理が「表見代理」です。今回はこの表見代理について徹底解説していきます。
目次
代理のおさらい
例えば、土地を買いたいAさん、土地を売りたいBさんがいたとします。
しかし、Aさんは色々と時間がなくて土地の売買をする時間がありません。
そこで、知り合いのCさんに土地を買う為の代理(これを代理権といいます)を頼んだとします。
Aさんの代わりに代理を頼まれたCさんは「Aさんの代理人できました」と必ず言ってわBさんと土地の売買取引を行います。
これを代理と言います。
表見代理ってなに?
上記のようにAさんは実際にCさんに土地を買う代理権を与えました。そしてCさんはBさんに「Aさんに頼まれた」と自分が代理だと言っています。
これらは「事実」です。
しかし、これらが事実でないことがありえるのです。どういうことかというと、代理権がないのに一見、代理権があるようなものがあります。それが「表見代理」です。つまり、代理権は与えられていないのです。
これだけでもわかりにくいかもしれません。
具体的な事は後で解説します。
「表見代理は代理権がありません。」となると、土地を買ってもらう予定だったBさんは「じゃあ、買ってもらえないのか?」というと、買ってもらう事はできます!
買ってもらう条件は
Bさんが「善意無過失」の場合にAとの間で売買が成立します。
表見代理の覚え方
上記で「表見代理は代理権を与えられてない」とありましたが、ではどのようにして与えられていないというのか?下記に示す3種類が代理権を与えられていないという事です。また、宅建の勉強している方はこの3つの言葉で覚えておくと良いでしょう。
オーバー
例えば
AさんがBさんにA所有土地を担保して借金することしか頼んでいない場合、CさんがBに土地売却の代理権があると信じていたとします(善意無過失)
AはBに担保借金することしか頼んでいないにも関わらずBはそれを超えて(オーバー)土地売却の代理権を与えたと善意無過失のCを信じさせた。ということになります。
この場合は売買契約が成立します。
アフター
例えば
Aさんが従前にBに与えた土地の売買契約の代理権が消滅した後(アフター)、Cが代理権の消滅について善意無過失だったとします。
この場合、その土地のA-C間で売買契約は成立します。
ネバー
Aさんが持っている土地をBさんに売り渡すための代理権を与えていませんでした(ネバー)
しかし、Bは善意無過失のCさんに売買の取引をしました。
この場合も同様にCさんは善意無過失の為、売買契約は成立します。
このように「オーバー」、「アフター」、「ネバー」と覚えておくと良いかもしれません。
まとめ
上記の表見代理の覚え方として代理人が
・オーバー
・アフター
・ネバー
だった場合と覚えれば覚えやすいですのでこの3種類のワードを覚えておくと良いです。そして、相手方が善意無過失の場合なら
契約は成立します。
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代理に関する項目は多岐にわたり、表見代理の他にも「無権代理」、「復代理」があります。
この2つに関する記事を下記のリンクで解説しているのであわせてご覧下さい。
無権代理
復代理