宅建の代理権には色々な種類がありますが、よく読んで理解していけばそれほど難しいということはありません。今回は宅建の代理権について図等を用いてわかりやすく解説していきます。
目次
そもそも代理ってなに?
代理を学ぶ際に基本的に登場人物が3人出てきます。
・本人 ・代理人 ・相手方
代理人に代理を頼む場合、頼む人のことを「本人」と言います。そして、代理人と契約などのやりとりを行う相手を「相手方」と言ったりします。
この3人を使って例を出すと以下のようになります。
東京都に住む本人Aが大阪府に住む相手方Bの所有する土地を購入したいと思いました。
ところがAは仕事で忙しく時間がないため、Cに代理を頼みました。
代理人CはAの代わりに相手方Bと土地の売買契約を行うこととなるのです。
これが「代理」です。
代理人Cが相手方Bと土地の売買契約を行います。
この場合、土地は誰のものになるかと言うともちろん本人のものになります。
代理人は契約まで行いましたが、最終的に本人にこれが帰属され、土地を取得するのです。
つまり、「代理人がやったことは本人に返ってくる」ということです。←ここ重要
結局のところ、本人Aと相手方Bが契約したということになります。
「代理で来た」と言わないといけない?
本人から頼まれた代理人は相手方と会った場合、「本人の代理で来ました」と言わなければなりません。
そうでないと代理人が相手方と契約した後、契約が本人に帰属せず、代理人自身が土地を取得したことになってしまいます。
しかし、代理人が「本人の代理で来ました」と言うのを忘れてしまったとしても相手方が「この人は本人の代理できたのか」と分かっていたり、知り得た場合は契約は本人に帰属します。
子供でも代理はできる?
代理人は成人の人でなくとも子供でも代理はできます。
ここでいう子供とは未成年者(満20歳未満)を指します。
そして、未成年者が行った事は取り消す事ができません。
これは、本人が代理人を選んだため、本人の責任にあたり、取り消せないのです。
代理人がやってはならないことって?
代理人が原則としてやってはいけないことは
1.自己契約 2.双方代理
の2点です。
自己契約
本人から代理権を渡された代理人自身が契約する人となることです。
原則としてこの自己契約はしてはなりません。
しかし、例外として本人からの事前に許諾または事後に追認があればこの契約は成立します。
双方代理
双方代理は本人と相手方の両方から代理を依頼されることを双方代理と言います。
これも自己契約同様に原則として禁止されています。
しかし、例外があり、本人・相手方の両方から許諾が得られれば双方代理は可能です。(この場合はどちらかが損をする可能性があるため、あまり行われません。)
双方代理に関してはこちらの「売買の代理の報酬額」でも登場しますので併せてご覧ください。
【 【宅建士】報酬額ってなんだたっけ?表や図を使ってご紹介! 】
代理権はどうやって無くなる?
代理人には当然、代理権を持っていますが、この代理権が消滅する事があります。
それはどのような場合か解説していきます。
代理権が消滅するのは
1.本人が「死亡」または「破産」 2.代理人が「死亡」または「破産」 または「後見開始の審判」
の場合に代理権は消滅します。
しかし、1.の本人の「破産」に関しては
委任による代理権は消滅しますが、法定代理の場合は代理権は消滅しません。
委任による代理・法定代理に関する記事は下記で解説していますので併せて読んでみてください。
まとめ
・そもそも代理ってなに?
本人の代わりに他の人に頼み、相手方との契約を交わし、本人にその契約が帰属する。このことを代理という。
・「代理で来た」と言わないといけない?
原則、代理人が相手方に「代理で来た」といわなければならない。そうでないと代理人が契約者となる。
例外として、相手方が代理人ということを知っていたり、知り得た場合は本人に帰属する。
・子供でも代理はできる?
未成年者でも代理は可能。
・代理人がやってはならないことって?
自己契約と双方代理
・代理権はどうやって無くなる?
1.本人の「死亡」、「破産」
2.代理人が「死亡」、「破産」、「後見開始の審判」
の時に代理権が消える。
以上で宅建の代理権について解説を終わります。
上記で解説してきた代理の他にも「表見代理」や「無権代理」、「復代理」と言ったものもあります。
下にリンクを貼っておきますのでこちらもご覧ください。
表見代理
無権代理
復代理