難しい?不動産鑑定評価の方法ってなんなの!?【宅建士】

その他の分野の中で不動産鑑定評価の方法というものが出てきます。しかし、馴染みがない上に専門用語が多く出てくるため、難しいと感じることがあるかもしれません。この記事では宅建試験で出題される不動産鑑定評価の方法をわかりやすく解説していきます!

不動産の鑑定評価とはなに?

以前の記事で公示価格について説明しました。その時に「鑑定評価」というワードが出てきました。

(まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ

公示価格ってなんなの!?過去問題からみてみよう!【宅建士】

上記の記事では公示価格(正常価格)についての説明をしてきましたが、他にもいくつか価格の種類があります。それとともに今回のメインである鑑定評価の方法を説明します。

堅くるしく説明しますと、

不動産の鑑定評価に関する法律第2条第1項]

 不動産鑑定評価とは、「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の
権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」のことを指します。

これはつまり、不動産の価値を経済の視点からみて決め、その価値をお金に変えて評価しますよ。

ということです。

また、この鑑定は厳密には宅建仲介業者や建築士などが行う価格の査定とは異なり、不動産鑑定においての法律では不動産鑑定士が行わなければなりません。

では、不動産鑑定士は不動産をどのような方法で鑑定するのでしょうか?

次で解説します。

鑑定評価の方法にはいくつか種類がある

鑑定の方法には3種類あります。

それは

1.原価法
2.取引事例比較法
3.収益還元法

3つです。

不動産鑑定評価、種類

それぞれみていきましょう。




原価法

原価法を説明する前にこの式を見ておくとわかりやすいでしょう。

再調達原価 - 減価 = 現在の価格

この式だけみても「?」

となってしまいますね。

まず、

再調達原価とはすでに建っている建物と同じようなものを再度新しく建てた場合にかかる価格のことです。

不動産鑑定評価、再調達原価

また、その時に新たに建てた建物でも年を追うごとに価格(価値)は下がっていきます。その減少した分の価格を差し引きます。

これを減価修正といいます。

不動産鑑定評価、減価修正

つまり、再調達原価から経年分の減価を引く(減価修正する)と現在の価格となるのです。

もちろんこれは建物だけでなく、土地の造成でも行われる手法です。

しかし、この原価法は

すでに造成されてしまった土地などにはこのやり方は適用できません。

取引事例比較法

次に取引事例法ですが、これはその名の通り、以前に取引があった似たような事例(似た建物の形がどうやって取引されたか)と比較して評価対象となる建物や土地の価格を決めていくものです。

不動産鑑定評価、取引事例比較法

また、以前の事例となると、当時の価値にするのではなくもちろん当時から現在にかけての変動価格の分を考慮して評価していきます。

しかし、この手法は過去によくあった取引事例の場合であれば適用されるのですが、

特殊な場合などで価格が決まって補正できないなどがあった場合は比較することができず、適用されません。

(特殊な場合でも補正が可能であればこの手法は使えます。ここの違いが過去に試験で出題されていたので注意です!)

収益還元法

収益還元法は、評価対象となる建物や土地を賃貸に出した場合、どれほどの賃料が入るか算定して、

そこから評価対象の不動産の価格を割り出していく手法となっています。

不動産鑑定評価、収益還元法

また、次に説明する内容は過去の宅建試験で出題されていたので覚えておくと良いでしょう。




収益還元法で出てくる4つの価格

宅建試験における鑑定評価の範囲で、出題される収益還元法の中に4つの価格というものが存在します。

それは

1.正常価格
2.限定価格
3.特定価格
4.特殊価格

です。一つずつみていきましょう。

正常価格

正常価格は

市場性を有する不動産で、かつ現実の社会経済情勢のもとで合理的と考えることができる条件を満たす市場で

正常価格とみなします。

これはつまり、どこにでもいるような普通の買主が普通に取引した時に成立する市場価値を表した価格のことです。

もっと大げさに言うのであれば

当たり障りのないごく一般的に成立するものと考えておけば良いでしょう。

不動産鑑定評価、正常価格

限定価格

限定価格は

市場性を有する不動産で、かつ市場が相対的に限定され、かつ市場価値と乖離する時に

限定価格とみなします。

つまり、これは隣接する土地を併合したり、借地人からその土地を買い取る時など自分が取得した土地の価値が上昇し、市場の相場が正常価格と乖離した場合の価格のことです。

もっとざっくり言うのであれば

隣の土地を取得したので市場価値がこの場所だけ上がって普通の価格ではなくなった。

こう言う場所は市場が相対的にみて限定的なので、そこを適正に価格をつけますよ。

ということです。

不動産鑑定評価、限定価格




特定価格

特定価格は

市場性を有する不動産で、かつ正常価格を前提として諸条件を満たさず、かつ市場価値と乖離する

特定価格とみなします。

ここの具体的な説明は複雑で宅建試験ではあまり出てこない為、省略します。

特殊価格

市場性を有しない不動産

特殊価格とみなします。

今までの3つは市場性を有していましたが、特殊価格だけは市場性を有しません。

特殊な不動産とは例えば

・寺
・神社
・学校
・公園

などです。このような場所は特殊だとイメージはつきやすいと思います。

複数の鑑定評価を用いる

鑑定評価の方法を3種類解説してきましたが、不動産の価格を求めるときには複数の方法を適用するべきとされています。

不動産鑑定評価、複数

まとめ

・不動産の鑑定評価とはなに?

不動産鑑定評価とは、「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の
権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」を指します。

・鑑定評価の方法にはいくつか種類がある

・原価法
・取引事例比較法
・収益還元法

・4つの価格

1.正常価格 
2.限定価格 
3.特定価格 
4.特殊価格




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